| ●ユニバーサル・デザインと共用品はどこが違うの?● | ||||
![]() Ronald L. Mace |
バリアフリーも共用品もユニバーサル・デザインも、大枠でとらえれば「障害者をはじめ高齢者など多くの人々が、なるべく不自由を感じない社会をつくっていこう」とするところで同じです。 《ユニバーサル・デザインの提唱者ロン・メイスの考え》 このユニバーサル・デザインを提唱したのはアメリカのロナルド・L・メイス(Ronald L. Mace 1941-1998)氏で、彼自身が車椅子の利用者でした。 彼は1998年の講演(21世紀の設計:ユニバーサル・デザイン国際会議)でバリアフリー・デザイン(障害排除設計)は障害中心の運動であり、ユニバーサル・デザイン(万人共通設計)は顧客市場追及問題だと述べています。 この講演の中でロン・メイス氏は、ADA(障害を持つアメリカ人法:Americans With Disabilities Act of 1990)を遵守して設計された宿泊施設であるにもかかわらず、不自由を感じ宿泊することができなかったことを述べ、もっと万人が利用できるユニバーサル・デザインが必要だと訴えています。アメリカらしい話です。 《ユニバーサル・デザインと共用品の文化的な背景》 ここでちょっと文化的な違いに目を向けてみましょう。アメリカは多民族・多文化国家ですから、常にグローバルな世界観つまりユニバーサルな視野を無意識的に持って生活しています。これに比べて日本は単一民族といってもよい文化圏ですから、宗教や文化の違いをほとんど意識せずに、多くの人が共用できるモノやサービスを、と感じたのです。 これらを言葉で表すとアメリカで「ユニバーサル・デザイン」が、日本で「共用品・共用サービス」が、ほぼ同じ1990年代初頭に提唱されたのは、時代が必要としているからでしょう。共時性(シンクロニシティ)を感じます。 《共用品の活動はバリアフリー社会の実現から始まった》 アメリカで生まれた「ユニバーサル・デザイン」と、日本で生まれた「共用品・共用サービス」とは、根本的に「多くの人が不自由を感じない社会を」という思いの世界は同じですが、生まれてきた文化的背景の違いゆえに、前者がデザイン設計思想的であり、後者は具体的に商品やサービスそのものを追求しているといえます。 ちなみに「共用品・共用サービス」の活動は、1991年3月、企業人やデザイナー、主婦や学生、そして障害のある人など、さまざまな人が”バリアフリー社会の実現”という同じ志で、任意団体「E&Cプロジェクト」を立ち上げてから始まりました。 |
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| written by S. Mitoma 2002 | ||||